足つぼ刺激の基礎知識

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最近では、足つぼ療法が、人気急上昇中です。実は、このツボ療法は、非常に長い歴史を持っています。針灸の起源は、古代中国です。今から、およそ2000年以上昔から、人間の身体の特定の場所を温めたり、あるいは、石などで刺激したりすることで、治療の効果が得られるということを、当時の人々は、すでに知っていたのです。

どの場所に、どんな刺激を与えると、どのような病気に効果があるのか、医学者たちは、経験を積み上げていきました。そして、それらの成果を、一冊の本にまとめたのです。それが、今日でも残っている、最古の医書、『黄帝内経』です。この書には、人体の生理、病理、養生法について記述されています。また、それに針灸治療の基本となる、ツボ(経穴)や、ツボを結んだ経絡、および、治療に関する理論などが解説されています。

中国のこうした理論が、日本に伝えられたのは、414年とされています。しかし、その後、針灸が一般に広がるまでには、まだまだ長い年月がかかりました。一般の人たちが、針灸の恩恵を受けられるようになったのは、室町時代に入ってからと言われています。そして、江戸時代には、日本独特の針灸治療が生まれました。

しかし、江戸時代に発展をとげた針灸治療は、明治維新以後、西洋医学の導入の中で、衰退していくことになります。そして、針灸治療が、再び注目されたのは、1972年、アメリカのニクソン大統領が訪中したときです。大統領が、中国で針麻酔を受ける様子が、テレビ放送されたのをきっかけに、針灸治療が見直され始めたのです。

最近では、レーザー針が、針治療に応用されるようになりました。30秒~2分間ほど、ツボにレーザーを照射する方法が広まってきています。

西洋医学では、なかなか効果を発揮することができない、慢性的な痛みや、しびれなどの症状に対して、最近、新たな治療法として、その効果が期待されているのが、東洋医学の針灸治療です。針灸治療とは、身体に位置する、数々のツボ(経穴)に、針を刺したり、灸をすえたりすることで刺激をして、そのツボに対応する臓器や組織の活動を、活発にするというものです。また、ツボを押したり、叩いたり、突いたりして刺激することで、比較的素人でも、容易に治療が可能であることで人気を集めているのが、ツボ療法です。中でも、「足つぼ療法」が人気です。足つぼ療法は、その名の通り、ツボが集中する足の裏のツボを刺激する治療法です。

東洋医学とは、中国の古代哲学が基盤になっているものです。古代の中国の人たちは、人間の身体のことも含めて、宇宙レベルで起こる、ありとあらゆることは、陰陽論と五行論のふたつの考え方から成り立っているという考え方に従ってきました。

陰陽論とは、「宇宙のすべてのものは、陰と陽のふたつの相反する要素から成り立っている」という考えから成り立っているものです。例えば、太陽と月、物体の表と裏、男と女、これらは、全て前者が陽、後者は陰ととらえられています。あるいは、一人の人間の体の中についても、背中が陽、それに対する腹部は陰というように、陰陽に二分されると考えるのです。

もうひとつ、東洋医学の考えの基盤となっているのが、五行です。五行とは、自然界の様々な現象を、「木火土金水」という、5つの要素に分けて、その因果関係を説明しようとするものです。人間の体内にある臓器、五臓六腑も、全て「木火土金水」の5つに当てはめて考えられています。

足つぼをはじめ、ツボ療法が大きな注目を集めています。それでは、実際に、ツボ療法とは、どのように行うのが有効なのでしょうか?また、指圧をすると、どうしても指が痛くなりがちです。指が痛くならないように、ツボを刺激するには、どのようにしたらいいのでしょうか?

指先だけに力を入れて押そうとすると、指を痛めてしまいます。また、それでは、押されている人も、気持ちよくならないと思います。親指で押す場合は、指で押そうとせず、自分の全体重を、徐々に加えていくようにしましょう。このように、体重で押すには、ひじを伸ばすこと、相手のからだに垂直に加圧するようにするというのがコツです。そのためには、押す人と、押される人が、お互いに、正しい姿勢をとることが大切です。はじめはゆっくりと、相手の具合を見ながら、指圧を加減していくのが、治療の大きなポイントになってきます。

また、指圧だけでなく、身の回りの道具を有効に活用するのもいい方法です。そうすれば、家庭でも、針灸療法に近い効果を得ることが可能です。家庭でできる針治療としては、次の方法があります。


●つまようじの針
つまようじを、親指と人さし指のあいだにはさんで、ツボをつつくように皮膚を刺激します。つまようじの枝の部分で、軽くつつく程度で、十分に効果的な刺激を与えることができます。

●ブラシ針
ブラシの柄の部分を軽く持って、ぽんぽんと叩くようにしたり、ブラシをすべらせて軽くこするようにします。

●つまようじの集合針
30本から40本のつまようじを束ね、輪ゴムでしばります。

●粒針
ビーズや米粒などの小さな突起物を絆創膏の中央に入れてツボに張ります。そしてその上から時々押し付けるだけで針のような効き目があります。足つぼには張りっぱなしにしておくと歩くたびに刺激になり効果があります。

近年、足つぼが大きな注目を集める中、最近では、病院や診療所などで、針灸治療を行っているようなところが、増加してきています。針灸治療は、癌、ウィルス・細菌感染などの病気には、あまり効果は期待できません。しかし、西洋医学の治療では効果が得られなかったような、慢性的な痛みやしびれには、特に有効であることが明らかになっています。針灸療法で針を刺したり、灸をすえたりする治療点は、ツボ(経穴)と呼ばれる場所です。ツボは、経路の上にあります。経路というのは、「気と血」の通り道です。では、このツボ、および経路というのは、どのような場所にあり、どういった役割をしているものなのでしょうか?

日本で決められたツボの数は、全部で361です。そしてその多くが、足に集中しています。このことから、足つぼが人気を集めています。ただし、ツボは、体に無秩序に広がっているわけではありません。一定のラインに沿って並んでいます。このツボを結んだ線が、「経路」です。その数は、数多くありますが、代表的な経路は14本です。

五臓六腑という言葉を聞いたことがあると思います。では六臓六腑は、どうでしょうか?六臓六腑とは、この五臓六腑に、心包(しんぽう)の臓を含めて、六臓六腑としたものです。それぞれの臓腑に対応し、六臓六腑をめぐり、各臓腑の調整を行う経路が12本存在しています。

さらに、残りの2本の経路は、顔、胸、腹の中心を通る、任脈(にんみゃく)、背中のまんなかから頭を通る督脈(とくみゃく)です。これらのふたつの経路は、12本の経路「十二経」を流れるエネルギーの過不足を調整するという、重要な役目を担っています。ただし、ここでいうエネルギーとは、東洋医学独特の「気血」という概念のことです。

ツボ療法の中でも、特に、足つぼを指で指圧する足つぼ療法は、家庭で比較的簡単にできることから、年々人気が高まってきているようです。これは、道具を用いずに、手で行う手技療法、つまり、「手当て」です。これに対して、針や灸を用いる針灸療法は、一部は家庭でも行うことができるものもありますが、通常は、針灸治療院などで受けるものです。最近では、病院や診療所でも、西洋医学による治療に並行して行っているところがあるようです。WHOでは、針灸で効果がある病気として、以下の病気を挙げています:


1.喉・鼻の病気
かぜ、気管支炎、気管支喘息、鼻炎、扁桃炎

2.目の病気
結膜炎、中心性網膜炎、仮性近視、白内障

3.口の病気
歯痛、抜歯後の痛み、歯肉炎、咽頭炎

4.胃腸の病気
胃下垂、胃炎、胃酸過多症、十二指腸潰瘍、腸炎、便秘、下痢、しゃっくり

5.神経ならびに筋骨格系の病気
頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経痛、打撲による麻痺、抹消神経系の病気、多発性筋炎の続発症、メニエール病、神経性膀胱障害、夜尿症、肋間神経痛、頸肩腕症候群、五十肩、テニス肘、坐骨神経痛、腰痛、膝関節痛


実際に、針灸治療によって効果が得られる病気として、最もよく取り上げられているのは、腰痛、肩こり、坐骨神経痛、膝関節痛、首・肩・腕にかけての痛みとしびれなどだと思います。しかし、これらの全てが、針灸治療で、必ず完治するというわけではありません。また、効果がほとんど期待でいないというものもあります。他の内臓的な疾患がないかどうかを見極めた上で、針灸治療も行うというのが大切なことであると言えるでしょう。