どれほど睡眠を取れば、十分であるかということは、個人差があります。従って、何時間、睡眠時間をとるべきであると、一概に言うことができません。しかし、昼間に、頭がぼーっとしたり、身体全体が重い、けだるいというときは、睡眠時間が足りない、あるいは、質が良くないという可能性が考えられるのです。
そういった場合には、ツボを刺激することで、効果が得られることがあります。高ぶっている神経を休めるためには、頭の百会(ひゃくえ)、耳の後ろの完骨(かんこつ)のツボを刺激します。背中の隔愈(かくゆ)も、自律神経の狂いをただし、いらいらを鎮めるツボとして使います。
●百会
頭のてっぺん、左右中央の線上にあります。
●完骨
耳の後ろの硬い骨をさぐります。この骨のうしろの下にあります。
また、足つぼでは、足のくるぶしの中封(ちゅうほう)を集中して刺激します。これは、神経症によく効くツボです。
●中封
内くるぶしの頂点から、足の甲の方向へ斜めに下に指でさぐっていくと、へこみがあります。ここが中封のツボです。
その他、寝つきを良くするためには、足の裏全体をよくもみほぐすようにすると効果があります。ストレスが原因で、不眠になることもあります。生活環境を整えることも大切です。昼はなるべく身体を動かし、夜は音や光を抑え、気持ちがリラックスするようにしましょう。ホットミルクに、ちょっとお砂糖を加えて、甘くして飲んでもいいかもしれません。気持ちがほっと落ち着いて、ゆっくり眠れるようになるのではないかと思います。
足つぼ療法は、最近とても人気があるようです。実は、このツボ療法は、かなり長い歴史を持っています。針灸の起源は古代中国です。今から、およそ2000年以上も昔から、人間の身体の特定の場所を温めたり、あるいは、石などで刺激したりすることによって治療の効果が得られるということを、その当時の人々は、すでに知っていたのです。どの場所に、どんな刺激を与えればどのような病気にたいして効果があるのか、医学者たちは経験を積み上げていきました。
そして、それらの成果を一冊の本にまとめたのです。それが、今日でも残っている、最古の医書である『黄帝内経』です。この書には、人体の生理、病理、養生法について記述されています。また、それに針灸治療の基本となる、ツボ(経穴)や、ツボを結んだ経絡、および、治療に関する理論などが解説されています。中国のこうした理論が、日本に伝えられたのは414年だとされています。
しかし、その後、針灸が一般に広がるまでにはかなりの長い年月がかかりました。一般の人たちが、針灸の恩恵を受けられるようになったのは、室町時代に入ってからだと言われています。そして、江戸時代には、日本独特の針灸治療が生まれました。しかし、江戸時代に発展をとげた針灸治療は、明治維新以後、西洋医学の導入の中で、衰退していくことになります。
