変形性膝関節痛(へんけいせいしつかんせつつう)という病気をご存知でしょうか?変形性膝関節痛の人が、まず最初に訴える症状は、階段を下りるのがつらい、膝をまげたり、体重をかけることができないといったような症状です。変形性膝関節痛とは、膝の軟骨がすりへってしまうことで起こる痛みです。これは、老化現象によって発生するとされています。つまり、誰もがいつかはなる可能性が高い疾患であると言えるのです。
膝の痛みをもたらす疾患は、この他にも数多くあります。例えば、慢性関節リウマチ、感染性関節痛などです。これらの中で、ツボ刺激によって効果が得られるのは、変形性膝関節痛です。方法としては、まず、膝の皿の周辺を、温めてマッサージします。それから、膝眼という足つぼを刺激します。膝眼(しつがん)とは、膝を90度曲げたとき、皿の下の外側と内側にふたつのくぼみができますが、ここが外側と内側の膝眼です。この2つのツボを、集中的に刺激しましょう。ツボに灸をすえると、膝が軽くなるのが実感できます。
また、変形性膝関節痛の場合、膝や腰に、なるべく負担をかけないようにすることも、治療のためには大切です。なかなかつらいことですが、特に太り過ぎの方は、減量も必要かもしれません。また、硬いアスファルトの道路の上を、長く歩いたり、ジョギングするのも、避けた方がよいでしょう。また、積極的に、太ももの前の筋肉を鍛えるようにすると、老化で弱った足腰をサポートすることが可能となります。是非、毎日のトレーニングと合わせて、足つぼの刺激を日課にしてみてください。
足つぼ療法は、最近とても人気があるようです。実は、このツボ療法は、かなり長い歴史を持っています。針灸の起源は古代中国です。今から、およそ2000年以上も昔から、人間の身体の特定の場所を温めたり、あるいは、石などで刺激したりすることによって治療の効果が得られるということを、その当時の人々は、すでに知っていたのです。どの場所に、どんな刺激を与えればどのような病気にたいして効果があるのか、医学者たちは経験を積み上げていきました。
そして、それらの成果を一冊の本にまとめたのです。それが、今日でも残っている、最古の医書である『黄帝内経』です。この書には、人体の生理、病理、養生法について記述されています。また、それに針灸治療の基本となる、ツボ(経穴)や、ツボを結んだ経絡、および、治療に関する理論などが解説されています。中国のこうした理論が、日本に伝えられたのは414年だとされています。
しかし、その後、針灸が一般に広がるまでにはかなりの長い年月がかかりました。一般の人たちが、針灸の恩恵を受けられるようになったのは、室町時代に入ってからだと言われています。そして、江戸時代には、日本独特の針灸治療が生まれました。しかし、江戸時代に発展をとげた針灸治療は、明治維新以後、西洋医学の導入の中で、衰退していくことになります。
