腰痛の方は、足つぼを丁寧に刺激することで、改善の効果が得られるということがあります。しかし、それは、同じ腰痛でも、姿勢の悪さや不慣れな動作によって起こった痛みや、長時間の運転、準備不足の運動によるしびれや痛みの場合が多いようです。老化による、変形性脊椎症等、骨の異常による病気については、足つぼはおろか、全身のツボでも、やはり効果は期待できないようです。
また、胆のう炎や癌でも、腰痛が引き起こされる場合があります。その場合も、ツボ刺激では効き目はありません。むしろ、効果がないままに、自宅などでツボ刺激に頼っていたせいで、治療が手遅れになるというようなことにはならないよう、注意が必要です。
ツボ刺激療法は、熱があるときや、極端に身体が衰弱しているときは、避けるようにしてください。また、治療の前後は、すぐに入浴したり、飲酒をするのもやめましょう。身体の老廃物が、スムーズに排出されるよう、水分を十分に摂ると良いとも言われています。
特に、まだ治療に慣れていない人の場合は、治療後に、身体が重く、だるく感じたり、熱っぽく感じたりするということもあります。しかし、このような症状は、翌日には消えますので、ほとんど心配は要りません。身体が慣れてしまえば、しだいに、このような症状は出なくなっていくと思います。もし、なかなか消えないという場合は、刺激量が多過ぎる可能性がありますので、刺激量を調節した方が良いでしょう。
足つぼは、足を怪我しているときや、脳出血、脳血栓の直後、心臓病や重い腎臓病、悪性腫瘍、妊娠中、不整脈がある場合などは、刺激してはいけませんので、ご注意ください。
足つぼ療法は、最近とても人気があるようです。実は、このツボ療法は、かなり長い歴史を持っています。針灸の起源は古代中国です。今から、およそ2000年以上も昔から、人間の身体の特定の場所を温めたり、あるいは、石などで刺激したりすることによって治療の効果が得られるということを、その当時の人々は、すでに知っていたのです。どの場所に、どんな刺激を与えればどのような病気にたいして効果があるのか、医学者たちは経験を積み上げていきました。
そして、それらの成果を一冊の本にまとめたのです。それが、今日でも残っている、最古の医書である『黄帝内経』です。この書には、人体の生理、病理、養生法について記述されています。また、それに針灸治療の基本となる、ツボ(経穴)や、ツボを結んだ経絡、および、治療に関する理論などが解説されています。中国のこうした理論が、日本に伝えられたのは414年だとされています。
しかし、その後、針灸が一般に広がるまでにはかなりの長い年月がかかりました。一般の人たちが、針灸の恩恵を受けられるようになったのは、室町時代に入ってからだと言われています。そして、江戸時代には、日本独特の針灸治療が生まれました。しかし、江戸時代に発展をとげた針灸治療は、明治維新以後、西洋医学の導入の中で、衰退していくことになります。
